視覚障碍者と眼鏡のフレーム

こんにちは。ばんです。
視覚障碍者の周りで眼鏡の話をすると、あまりフレームの事が話題にならないなと思いました。
そこで今回は眼鏡のフレームについて知っていることを纏めたいと思います。

①なぜ眼鏡をかけるのか

フレームの話をする前に、そもそも何故眼鏡をかけるのかという点について考えてみます。
ばんは大きく2つの理由があると思います。
1つ目は”見やすさの向上”。要するに視力矯正であるとかサングラスで眩しさを抑えるとか眼鏡の役割と聞いて誰もが想像するものでしょう。
そしてもう1つは”顔回りの印象操作”。こちらはファッション的な考え方です。
弱視なら目を細めていることが多く、全盲は目を瞑っているように見える事が多い。これは良く見えていない以上、やむを得ない部分だと思います。
また、義眼をつけている人は虹彩の色や視線が何をしても動かない所から義眼だと分かってしまう可能性もあるでしょう。
こういった部分が気になっている人は眼鏡をかけていると、目そのものから眼鏡に視線を分散できるので、上記の印象を多少変える事が出来ると思います。

以上を踏まえ、フレームについてお話していきたいと思います。

②眼鏡のフレームの素材

眼鏡のフレームの素材は大まかに2種類あります。

1つ目はメタルフレーム。金属製のフレームです。
メリットは軽くて耐久性が高い事です。
金属は素材の量が少なくても十分な耐久性を維持できるので、軽くて長時間かけていても苦痛になりにくいです。
ですので先ほどの”見やすさの向上”という点で重宝します。

デメリットは4点。
太くなると重くなる事。色の選択肢が少ない事。金属アレルギーが発生する可能性がある事。お高い事。
金属なので太いフレームであればあるほど耳にかかる負荷が大きいですし、色の選択肢も多くはありません。
ですので”顔回りの印象操作”という点では弱いです。
他にも金属アレルギーが発生する可能性が少なからずある事と、値段が少し高い事はデメリットと言えるでしょう。

デメリットの項目自体は多いですが、長時間つけていられるのは特に弱視にとって大きなアドバンテージになります。

2つ目はセルロイド。要するにプラスチック製の眼鏡です。
メリットは色や形のバリエーションが多く、安い事です。
プラスチックは成型・着色がしやすく多彩な色や形を展開しやすい上、同じ量の素材を使った場合、やはり金属より安く済みます。
ですので”顔回りの印象操作”という点で効果を発揮しやすいです。

デメリットは重さと耐久性です。
プラスチックで一定の強度を出そうとするとどうしても量が必要になり、金属ほどではないですが重くなります。
その上弱視の場合は矯正用のレンズの重さも加わるので、長時間かけていると疲労します。
別の言い方をすれば、同じ質量のプラスチックと金属なら金属の方が耐久性が高いことになります。

以上を踏まえたうえで、個人的な見解としては
視力矯正を必要とする弱視は金属フレーム、矯正の必要のない全盲はセルフレームが向いているのではないかと思います。

③フレームの形・色

次にフレームの形についてです…が、大体「眼鏡 形」と検索すれば眼鏡屋さんのサイトで詳しく解説してくれているので、基本的な事だけ触れておきます。
眼鏡の似合う形は顔の形によって変わってきます。顔の形と反する印象の眼鏡が相性がいいとよく聞きます。
例えば丸顔の人なら四角形でシャープな印象のスクエア型の眼鏡…などです。

また同じ形の眼鏡でも上半分だけフレームで固定するハーフリムや、下半分だけ固定するアンダーリム、フレームの無いノンリムなど同じ形でも何処までフレームで固定するかで
その眼鏡の印象が変わってきます。

何はともあれ自分の人に見てもらいたい性格像もあるかと思いますので、それらも含めて店舗で店員さんに見繕ってもらった方が失敗が少ないですので、店員さんと相談の上決めましょう。
1点だけ視覚障碍者として話をするのであれば、サングラスのように遮光性を求める場合は縦幅の大きい眼鏡を選びましょう。

眼鏡の色についてですが、これも肌の色に合う物を選ばないと眼鏡だけが浮いてしまいます。
例えばセルフレームの代名詞”黒縁眼鏡”ですが、やたらと色白の人間がかけてしまうと眼鏡だけが強烈に浮いて見えます。
肌の色や状態で似合う色、似合わない色は出てきますので、これも店員さんに見て確認してもらいましょう。

また、眼鏡の色や形についてもTPOがあります。
働く業界によっては奇抜な色や形は受け入れられないケースがあったり、逆にプライベートでは遊び心が無いと思われたり…、という事は往々にしてありますので、どんな場面で使うかも想定しておきましょう。

④ばんが今の眼鏡を選んだ理由

ここまで長々とお話してきましたが、最後にばんの実例でお話ししたいと思います。
とはいえ実例としては少々マニアックな話にもなりますので、軽く読み流してください。

結論から言うとばんはメタルフレーム、オクタゴン型(フルリム)、アンティークゴールドの眼鏡を選びました。
まず用途は遮光性を考慮しない視力矯正で、それ以前に使っていたセルフレームが重くてつけていられなかった為、メタルフレームにしようと決めていました。
オクタゴン型は偶然見つけたものでした。レアな形ではありますが、歴史的な背景もきちんとあり、メタルフレームという事もあってそこまで図抜けた印象は無く、丸顔に近いので角のある形と相性がいいのですが、スクエア型だと尖りすぎている印象が角が増える事で和らいでいる所に惹かれました。
そして色合いは肌の色が白に寄っているのでシルバーだと肌と同化しすぎてしまうが、明るいゴールドだと何となく成金っぽい印象があるので、黒に近いゴールドなら同化しすぎず落ち着いて見える…と言うのが即決した理由でした。

上記、正直マニアックな思考も入っていますが、フレームを選ぶだけでもこれだけの事を考えることが出来ます。
もし今までフレームに興味のなかった方は、次の眼鏡は熟考して選んでみるのも一興では無いでしょうか?

眼鏡店に行きたい方は、ナビのリクエストを出してみてはいかがでしょうか?

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