こんにちは。ばんです。
通常視覚障碍者の誘導は1人の視覚障碍者に対して1人で行います。
ですが、見えている人の人数が少ない場合、複数人の視覚障碍者を誘導する事があります。
今回は複数人の視覚障碍者を誘導する「両手引き」について誘導者の視点でお話しします。
※手引きについて知識のある方向けに書いています。
①はじめに
両手引きは、視覚障碍者の誘導方法「手引き」の応用になります。
マンツーマンで誘導する「手引き」に慣れていない人は、原則やらないようにしてください。
単純に気を配らなくてはいけない方向と範囲が増えるため、誘導の精度は落ちやすくなる為です。
②両手引きの型
両手引きには大きく2つやり方があります。
・両手で誘導する方法
両手引きの名前に相応しく、通常片手で行う誘導を両手で行います。
ばんは勝手に「羽型」と呼んでいます。文字通り両腕を鳥の羽のようにイメージします。
このやり方は手引きされる側に腕の動きが伝わりやすく、ラグが起きにくいですが、
左右の腕で視覚障碍者を誘導しなければならない分、横に広い範囲を警戒しなくてはいけません。
主に人口密度の低く、道が広い場所で使えます。
・片腕で誘導する方法
両手引きのもう1つの方法で、通常の手引きのように片腕で誘導する方法です。
2人目の視覚障碍者が、前にいる視覚障碍者の腕を掴みます。
こちらもばんは勝手に「νガンダム型」と呼んでいます。分かっていただける人に分かっていただければいいのですが、ガンダムシリーズに登場するνガンダムのフィンファンネルの配置に見立てています。
上記とは対照的に、狭い範囲での誘導に向いているのですが、見えない死角ができやすいことと、腕の動きが最後尾までに伝わるのにややタイムラグが発生するので、これらを考慮して移動しなくてはいけません。
これらを組み合わせると3人、4人と大人数を1人で誘導することが出来るようになります。
ですが、安全上の問題から基本的にはマンツーマンでの手引きを強く推奨します。
③注意点
行う場合の注意点ですが、通常の手引きより処理しなくてはいけない情報量が増えます。
自分たちが取っている範囲に加え、腕の動きが伝わるタイムラグ、曲がる時にどちらの腕をどの角度で曲げればスムーズに回れるかなどを瞬時に判断して、その通りに腕を動かす必要があります。
また、手引きされる側も両手引きの場合は手引きする側の人と上手に連携をしたり、
後ろの人に腕の動きを伝達するように協力しないと上手く移動することが出来ません。
誘導する側もされる側も相応の技量があってはじめて成立するやり方ですので、やらずに済むならそれに越したことは無いですし、やらなければならない場合は当事者でよく話し合って行いましょう。
ばんさんこんばんは、小田垣です。
ばんさんの投稿何時も楽しくかつ有意義に読ませてもらっております。
昔は今ほど弱視がいなくてそれこそ一人で数人を一人の弱視が引き連れて歩いたこともありました。いわゆるニューガンダム型は便利ですが、お互いに馴れていないとうまく行きませんね。
次回の投稿を楽しみにしております。
小田垣康次 様
コメントいただきありがとうございます。ばんです。
弱視の人数が少ない事、よくわかります。
盲学校だと弱視の両手引きはあるあるなのではないか…と
個人的な経験で思います。
νガンダム型は後方確認がとても難しいんですよね。
誘導する弱視も大変なのですが、弱視の腕の動きに合わせて
阿吽の呼吸で方向転換する全盲にとってもハードルが高いですよね。
これからもどうぞ、よろしくお願いいたします。