視覚障碍者の1人暮らしの自炊

こんにちは。ばんです。
これから先、1人暮らしを始めようという人もいれば、ステイホーム期間中に外食中心の生活を改めようという人もいるのではないでしょうか?
今回は、ばんがそれなりに自炊をやってきて、自炊初心者の視覚障碍者に伝えたいことをお話しします。

①そもそも外食じゃダメなの?

「自炊と外食どっちがいいか」みたいな話が挙がると、なんやかんやで自炊がいいという風潮になりがちです。
自炊の方が経済的だとか健康的だという話ですね。

私自身、色々やってみて思ったのはどっちもどっちという事です。
まず経済的かどうかといわれると、食材や調味料などを定期的に買ってると、外食とさして変わらないです。
よく冷凍庫に纏めて作って保存する方法が紹介されていますが、1人暮らしの冷凍庫はそこまで大きくないので、2~3日に一度は作らないといけないですし、一気に何種類も調理をする事が苦痛になって続かなくなる印象です。

次に健康的かと言われると、これも何とも言えません。
健康志向な食品や調味料で美味しくお腹を満たそうとすると手間もコストもかかりますし技術も要ります。
正直毎日仕事でクタクタな現代人にそれを求めるのは酷だと思えてならないのです。

多少割高でも時間を買えるという意味では外食に分があると思います。

では、それでも自炊のいい点は何かといわれると、
「頭や五感をほどほどに使う作業なので、嫌なことを考えなくていい」
「イメージした味の物を食べられる」
という点かなと思います。
特に前者は、五感をまんべんなくほどほどに使うので、やったかやらなかったかで
食事中に考えることや食後にストレスを感じにくいような気がします。

以上を踏まえてライフスタイルに合った食事をするのが良いかと思います。

②工程は単純化して長く続けていく

自炊をしようと思ったらまず絶対に凝ってはいけません。
作業工程が複雑で、後々嫌になります。
ハンバーグみたいに工程が複雑な料理は時間と心に余裕のある時に挑戦しましょう。

1人暮らしの自炊は「切る→混ぜる→加熱する」で完結し、1品だけ作るというスタイルがいいかと思います。
工程が簡単になることで失敗をする確率が下がり、負担が軽くなるので継続しやすいです。
単身者向けの部屋は大抵1コンロなので、2品以上を作ろうとすると時間がかかる上、火加減を気にしながら別の作業をするなどせっかく簡単にした工程が複雑化することになります。

個人的に最初の目標を立てるなら親子丼あたりがいいのではないかと思います。
玉ねぎを皮を剥いて切って、鶏肉と一緒に炒めて、最後に溶き卵と醤油を加えて卵がふわふわになった所で火を止めてご飯の上にぶっかけて完成。料理としてもちゃんと作った感が出ますし、
洗い物も包丁、まな板、鍋、菜箸、丼、箸くらいで済むのでさっさと終わります。

③料理は失敗して体で学ぶ

とはいえ、どれだけ工程を簡単にしても失敗するときはします。
よくあるのが「強火で肉の中が生焼け」「滅茶苦茶に焦がす」「調味料の分量を間違える」あたりだと思います。
生焼けは特に危険ですが、これらはある程度体で覚えつつ「絶対に口にしてはいけないもの」を見分ける感性を育てるのも1人暮らしの自炊では必須です。
大量の食材を余らせて「腐らせた」なんてことも最初のうちはよくあることだからです。
腐ったものを即時に見分けて処分する際、必要になるのは視覚、嗅覚、味覚です。
これらを鍛えておくことも通過点だとお考え下さい。

④まとめ

以上を一通り経験して慣れてくるとレパートリーが増えてきます。
生姜焼き、カレー、チャーハン、野菜炒め、鍋
などなど、結構出来ることは多いんです。
ばんの野菜炒めはオイスターソースやカレー粉なんかを味のベースにする事もあります。

決して見栄えのいいものではないですが、ずぼらな割に美味しいから続いています。

自炊できるまでに大体の視覚障碍者は調理実習などを経験していると思いますので、触れる計量カップなど自分に必要なものも凡そ見当はついているかと思います。
道具だけはきちんと自身に合った物を買っておきましょう。

道具選びは補助具の専門店、日用品の買い出しはスーパーマーケットで行います。
後者でも慣れないうちは迷うものですので、不安であればナビ広場でリクエストを出してみましょう。

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