【視覚障害者のiPhone便利術】ナビレクとドアの検出

こんにちは しばです。
2月3日のナビネットサロンでは
以前、ブログでも紹介した
ナビレクとアイナビを合わせて使う方法を
実演録音とともに紹介しました。
私は信号検知しか使いませんが
この日の実演では
三角コーンや人を検知する様子が分かります。
ぜひ、聴いてみてくださいね!
動画リンク ナビネットサロン「音声・歩行ナビアプリ ナビレクとアイナビ」

さて、今回はナビネットサロンの非公開の交流会で話題になった
目的地の扉にピタッとつく方法
から
iPhoneの標準機能を使ったドアの検出を紹介します。

iPhoneでドアを検出する

対応しているiPhoneモデル

・iPhone 12Pro、12Pro Max
・iPhone 13Pro、13Pro Max
・iPhone 14Pro、14Pro Max
・iPhone 15Pro、15Pro Max

プロが付かないiPhone13などは
残念ながらドア検出ができません。

ドアの検出方法

手順1 対応モデルのiPhoneから拡大鏡アプリを開く
ホーム画面では、ユーティリティフォルダに入っていたりします。
ホーム画面で見つからない時はsiriを使うと楽ですよ。
電源ボタンを2、3秒押すと、ポポン と音が鳴るので
「拡大鏡を開いて」と声をかけるとアプリが開くと思います。

手順2 かぎかっこを角に置いたような四角形を選択する
ボイスオーバーユーザーは
「検出モード」と読むボタンを探してください。

手順3 画面左の中央あたりにある長方形のマークを選択する
ボイスオーバーユーザーは
「ドアの検出」と読むボタンを探してください。
選択するごとにオンオフが切り替わります。

手順4 まずは家の中のドアを検出してみましょう
iPhoneのカメラがドアをとらえると
・ドアまでの距離
・ドアノブの種類
・ドアの色
など検出できた情報を画面下部にテキスト表示します。
検出結果を読み上げる設定にしておくと
ボイスオーバーを使わなくても読み上げます。
ボイスオーバー利用時には
たまにこの検出結果を自動で読み上げてくれなくなるので
画面下部を適当に触ってみてください。

検出を終わるときは
画面左上の「終了」を選択します。
ボイスオーバーは
指4本で画面上部をタップするか
指1本で左フリックしていくとたどり着けます。

自宅玄関を探す

店舗や施設の入口探しや自宅玄関に行くために
このドア検出が使える場面があるかもしれません。

このドア検出は
ドアを検出したときに画面に写った文字も読み上げます。
これを活かすと
自宅玄関のドアノブ近くに、文字を貼っておけば
ドア検出したついでに「田中家の玄関」などと
読み上げてくれるので、自宅玄関を見つけ出せます。

ナビレクと同時に使える

ナビレクの道案内をバックグラウンドで聞きながら
拡大鏡の検出モードを立ち上げておくことができます。

個人マップをお持ちの方は
それこそ自宅までナビレクで歩いていき
到着のアナウンスが流れたら
iPhoneのカメラを周囲に向けて、玄関を探すことができますし

店舗や施設でもナビレクの付録説明に
入口までの様子やドアの種類などを
分かる範囲で書いてくださっている作成者さんがいますので
そういった情報を活かして、ドアを探すことができます。

検出モードをカスタマイズする

拡大鏡アプリを開いた最初の画面から
歯車マークの「設定」を選択します。
設定画面の前半は、コントロールパネルの整理です。
先頭項目はズームがデフォルトですが
好きなように並び替えることができます。
メインとサブがあり
検出モードを主に使いたい場合には
メインに検出モードを置くと便利です。

見た目の説明
各項目がリストになって縦に並んでいます。
項目名の左には非表示にするマイナスボタン
右には並び替えるためのボタンがあります。

ボイスオーバーで並び替える
手順1 「検出モード」から右にフリックして
    「検出モードを並び替え」を探します。
手順2 指1本のダブルタップで2回目を長押しする
手順3 長押ししたまま、画面の上の方にスライドさせる
手順4 「全12行中1行目に移動しました」と読み上げるところで指を離す

位置を確認する
もう一度「検出モードを並び替え」でダブルタップ長押しをする
少し上下にスライドすると「ズームの上に(下に)移動しました」と読み上げます。
上に移動しました、で先頭項目に設定できます。

ちなみに、項目をパネルから取り外すことは
現時点でボイスオーバーからはできません。
方法をご存じの方は教えてください!

ドアの検出の設定をする

先ほど開いた設定画面の最後の見出しに「検出」があります。
「ドアの検出」を選択すると
・単位
・音程距離
・フィードバックの種類
をそれぞれ設定できます。

単位は、ドアまでの距離をメートルかフィートで選べます。

音程距離は、表示距離内でドアが検出できたときに、より高い音でお知らせします。

フィードバックは、検出したことを知らせる音、読み上げ、触覚をそれぞれオンオフできます。
ここの読み上げをオンにしておくと
ボイスオーバーがうまく拡大鏡のテキストを拾えなくても
拡大鏡アプリが確実に読み上げます。
ボイスオーバーは指3本のダブルタップで
一時的に読み上げをオフにできます。

カメラを使った視覚サポート利用時の注意

拡大鏡アプリ使用時は
iPhoneの画面にカメラ映像が写っています。
録画や記録はされませんが
カメラ映像が写っているスマホというのは
見える人からすると警戒するもので
特に、お手洗いなどのデリケートな場面では
普段読み上げを使っていなくても
音声読み上げをさせてドア検出していることを
周囲に知らせたり、ある程度のところは人に頼ったりして
自分も周りの方も安心して過ごせるように、工夫してみてください。

どうして急に注意なんか書くかというと
昨今、視覚障害者がスマホを使えるはずがないと
白杖=全盲、だからスマホを使っているのはおかしい!本当は見えているんだと
知らないがゆえにその姿を盗撮して
SNSに公開する、なんてことがあります。
(点字ブロックを歩いているだけで撮られている方もいました)

これは、見える人にとっても日常にあるリスクです。
いつの間にか自分の姿が世界に発信されているのは怖いと思いませんか。

わたしたち視覚障害者は
ボイスオーバーや文字の拡大などの視覚サポートで
スマホを便利に使いますし
スマホは生活を豊かにするにも大いに活躍してくれています。
カメラを利用したOCRや障害物検知
QRコードを利用したアナウンスなどが発展してきて
より便利になってきています。
カメラは目の代わりとしてとても大事な機能です。

ただ、ほとんどの見える人は
視覚障害者のこうしたスマホ使用を知りません。
なので、スマホを使っている=問題なく見えている
カメラを起動している=盗撮!?
となりかねません。
私も、ボイスオーバーを知るまでは
いずれスマホを使うこともできなくなると思っていましたから
視覚障害がなければ知る機会がないまま
私も「え、見えないのにスマホ?白杖なのにスマホ?」
と思う側だったと思うので
皆さんにもお互いにトラブルなく安心して過ごせるように
配慮し、配慮されることを意識してみてもらえたらと
つらつらと書いてみた次第です。

これからもスマホを便利に使って
街歩きも読書も楽しんでいきましょう!

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