こんにちは しばです。
白杖をレンガやコンクリートの窪みに何度も何度もひっかけて、
受け止めた右足にどす黒いあざをつくってしまったしばです。
(なぞるだけでも激痛!)
いよいよ、スライドテクニックに適した白杖を買いに行こうかと思っています。
さて今回は、ところで白杖ってなんだろうって話です。
白杖のきほん
身体障害者福祉法では
「盲人安全つえ」とされ、
一般に「白杖(はくじょう)」と呼ばれている
全体が白く、先端よりに赤く色づいた杖です。
(本体が黄色のものもあるようです)
駅や街で点字ブロックをなぞる姿を思い浮かべる人もいることでしょう。
白杖は第三の足とも呼ばれ、
1.進む方向にある障害を探知し安全を確保する
2.段差や点字ブロックなど歩行に必要な情報を得る
3.周囲へ視覚障害があることを伝えるシンボル
の3つの役割がある、視覚障害者の歩行をささえるパートナーです。
では、そのパートナーを浮かせて歩いている姿を見かけたことはありませんか、
もしくは、目を開けて、遮光眼鏡もかけないで歩いている姿を。
どんな人がつかうの?
道路交通法第十四条には、
『目が見えない者(目が見えない者に準ずる者を含む。以下同じ)は、
道路を通行するときは、 政令で定めるつえを携え、
又は政令で定める盲導犬を連れていなければならない。』
と定められています。
つまり、白杖=全盲 ではなく、
私のように、生活に支障をきたす見えづらさを抱える
視覚障害者(弱視、ロービジョン)も白杖を使うため、
目を開けている人もいますし、なかには遮光眼鏡を必要としない人もいます。
シンボルとして ” 鉛筆持ち ” を主にする人もいます。
また、
『目が見えない者以外の者(耳が聞こえない者及び
政令で定める程度の身体の障害のある者を除く。)は、
政令で定めるつえを携え、
又は政令で定める用具を付けた犬を連れて道路を通行してはならない』
ともされ、白杖=視覚障害とも言い切れません。
聴覚障害者の場合には視力があり、当然、目を開けているでしょう。
と、わかった風に話してきましたが
見えづらさや白杖の理由は人それぞれなので、
当事者間でも配慮が難しいと感じています。
みなさんが白杖を持っている人に出会ったら、
「あれ?目を開けているのに見えてないの?」
という疑問を持ちつつも声には出さず、
見守り、困っている様子や危険な場面ではぜひ、
「お手伝いしましょうか」と手を差し伸べてほしいです。
白杖テクニック
見え方、シーンによっても使い分けられる白杖テクニックをご紹介!
スライドテクニック
左右にすべらせて広範囲に路面情報を得ます。
タッチテクニック
左右の2点をこんこんっとついて、音の反響で障害物を探知します。
また、音を出すことでみなさんへ存在を知らせ衝突を防いだり、
” 視覚障害者 ” であることを伝えています。
鉛筆持ち
地面から浮かせて自分の前へ出す持ち方です。
これもまた ” 視覚障害者 ” であることを伝えています。
たとえば、外側の視野が欠けている場合には
前や足元は視覚で確認して歩けるけれど、
横の動きに反応ができずぶつかってしまう恐れもあるので、
自分のためにも相手のためにも、このテクニックが用いられます。
私は、夜や薄暗い店内などでは ”スライドテクニック ”
明るさによって慣れている道や店内では ”鉛筆持ち ”と使い分けています。
使うタイミング
一日中、どこへ行くにも白杖が手放せない!
鞄にしまうことなんて無い!
…わけでもない。
日中は使わない、夜は使う、夜でも駅構内など明るければしまう
みたいなことがあります。
実際、私は慣れや明るさによっては白杖が無くても安全に歩けます。
「さっきまで白杖使っていたのに」
「え、目を開けてる。見えてるの?」
「障害を偽っているの?」
なんて声も聞きますが、
傘を持っているのだから、雨でも晴でも常に差しているべき!
なんて思わないですよね。まして、
日傘を日影が続くところでしまっても、
さっきまで差していたのに、おかしい!
なんてこともないはずです。
白杖も同じです。
” 見え方はひとそれぞれ “
個人の生活のしやすいように使われるためのアイテムなので、
使いたいタイミングは違うのです。
おわりに
私は白杖を手にして2年近くが経ちます。
まだ、周りの声が気になって白杖を堂々と使えません。 いつもドキドキ。
「見えてるじゃん」が「嘘つき」と言われているようで怖く、
使いたいのに出せなくなるときもあります。
白杖を持つことには、勇気と高い心のハードルもあると感じています。
生活の、体の一部になるまでちょっと大変ですが、
カフェでコーヒーを飲む休日のため、外出し続けたいと思います。
みなさんの頭の片隅ででも応援していてくれると嬉しいです。
それでは、また!
白杖ユーザー必読!ナビレコで疑似旅行しよう!
無料アプリ「ナビレコ」では
視覚障害者にもやさしいガイド地図を音声と振動で案内してくれます。
現地で使う・案内モードとは別に、予習で使える・再生モードがあります。
再生モードではガイド地図を現地にいなくても聞くことができるので、
自宅にいながら各地を歩けます。
いつか白杖と一緒に行きたい場所を見つけませんか。